半身麻痺から、リハビリ・就労支援訓練を経て企業の社員として働くようになったTさんの事例です。
私、岸友和を知り合う経緯きっかけを教えてください
Tさん:56歳の時に脳出血を起こしたんですが、その時実家にいて、グラグラってめまいがしたんです。
その時母から「大丈夫か?」と聞かれたんですが、自分の娘が意識混濁になっているのは切ないと思ったので、とっさに「大丈夫だよ。」と答えたんですね。
そこで、「調子が悪い。」って言ってたら、違っていたかもしれないけど。
そして、用事が終わって車で実家から帰ってきて、車から降りて階段を一段上がったところで座ったら、またグラグラってきて・・・。
「あれ?おかしいぞ。」と思って、車のダッシュボードに置いていた携帯を取ろうと思ったんだけど、もう体が動かない。
それで、「ちょっと横になってればいいか。」と思ってたら、一晩経っちゃったんです。11月19日で夜8時くらいに帰ってきたから、寒かったですね。次の日は雪だったし。
どうして見つかったかというと、いつもゲームをしている友達が、反応がないからおかしいと思って、メールくれたけど、それも返事が返ってこない。
だから、会社の後輩に連絡をつけてくれて、その子が様子を見に来てくれたんです。そして、倒れている私を見つけて、救急車を呼んでくれたんですよ。
その時の血腫の大きさが6センチで、地元の緊急病院に2週間入院して、それからリハビリ専門の病院で半年間リハビリをしました。
それで、杖で何とか歩けるようにしてもらい、サービス付きの高齢者賃貸住宅に入ることになったんです。
でもそこではリハビリが受けられなかったので、施設の人に紹介してもらって、外部サービスが受けられるサービス付きの高齢者賃貸住宅に移りました。そこはアパートの部屋みたいになっているから、リハビリの先生とか、訪問診療の先生とかを呼べるんです。
そこで、リハビリを利用するなら、ケアマネを付けた方がいいと言われて、岸さんを紹介されました。
私、岸友和を初めて見たとき、正直どんな印象でしたか?
Tさん:優しそうで、やっと頼りになる自分の味方が来たと思いましたね。
その前についていたケアマネさんが、私の家族の方ばかり向いていたから。
何となく空気で分かって、この人は私の味方になってくれるというのが、第一印象です。
今回、依頼するまでに気になったことは何ですか?
Tさん:家族と私の間にどう入って立ちまわってくれるかな、というのが心配でしたね。どう家族に寄り添うのか、はたまた真ん中でもこっちよりになってくれるのかが気になりました。
でも、訪問診療の先生から紹介されたし、太鼓判を押してくれたから、安心していましたけどね。
岸に依頼する上で、決め手となったことは何ですか?
Tさん:やっぱり自分の味方になってくれそうだな、ということですね。
私が言っていることに否定しないで、まずは聞いてくれる。そういう風に寄り添ってくれる感じがすごくしたんですよ。
今回、相談をしている中で、印象に残っていることは何ですか?
Tさん:自分が倒れてから、私が思っていることを周りが許さないってことがあったんだけど、「その中でも方法はあるから、一緒に考えていこうね。」って言ってくれたのは、印象的でしたね。
岸:前の施設のケアマネさんが家族側で、Tさんの希望を聞いてくれなかったみたいなんですよね。本来であれば生活のためのリハビリが必要な期間に、全然リハビリがなかったし。
Tさん:「リハビリしたい」と言うと私の方が、クレーマーだと周りは判断するんですよ。
結局、面倒見てもらっているから黙ってみてもらえばいいんだよ、という空気が伝わってくる。でも私は弱者であるけど、蔑まされる必要はない。
それを岸さんはちゃんと寄り添ってくれて、話もちゃんと聞いてくれて、「方法論も一緒に見つけていきましょう。」と言ってくれたから、信頼できましたね。
岸:Tさんに出会ったのは50代後半だったけど、可能性は絶対あると思ったんですよ。
リハビリが始まってヘルパーさんも導入したけど、やっぱり少しでも以前みたく自立したいですよね。
一人の人間だから、やっぱり可能性は見つけていきたいというのは、自分の中にもあったんですよ。
Tさん:私はやりたいことがあるから、それにどう寄り添ってもらえるか、ということが信頼関係を作るうえで、大切ですね。
自分にとって、どこに立ってくれるのか、それはすごく感じました。
Tさんの希望は何だったんですか?
Tさん:やっぱり自立することですよね。
だから、L事業所という就労移行サービスを紹介してもらったんです。
リハビリして普通の生活が何とかできるようになっても、無収入だと困るから。
岸:障害者年金をもらうためには申請とか認定を受けないとダメなんですよ。
だから、知り合いの社会保険労務士さんに相談してTさんに会ってもらって、障害者年金をもらえるように整えてもらったんですよね。
Tさん:でも、年金をもらえても、家に戻ってきたらぼーっとしちゃうから、働く意欲を持って自活できるようにって、岸さんが私が考えるより先に方向性を示してくれたんですよ。
それで就労移行サービスに通うようになったんです。
岸:今は障害者手帳を取得したから、障害者のケアマネ(相談支援専門員)さんも別にいるので、そっちの方で就労系サービスというのがあるんですよ。そこでTさんに提案して実際に相談支援専門員さんを紹介して会って相談に乗ってもらって・・
障害者の福祉サービスがあるので利用できるようにしてもらって・・それで、パソコンの練習をしたんだよね。
Tさん:最初は週に1回通ってたんだけど、それじゃすぐに忘れちゃうから、自分でパソコンも買って、週に2回にして、でもコロナになっちゃったから、週に5日習うことにしたんです。
5日のうち通所が2回で、3回は在宅でオンライン。
そしてワードとエクセルの基礎と応用編を習って、応用編まで終わる頃に、L事業所さんの方から、就職の案件を紹介されたんです。
書類選考で受かって、一次面接、二次面接といって、正式に採用通知がくるまで、半年もかかったんですけど。
入社式のときに、社長が「還暦の人がパソコンを習って、こういう人もいるんですよ。」って言ってくれたんです。
でも、私だけじゃない。みんなが努力しているんですよ。
一番良かったことは何ですか?
Tさん:初任給の時は嬉しかったです。生活も安定したし、ちょっとは欲しいなと思うものも買えるようになった。大好きな猫の餌も心置きなくとができるようになりました(笑)
自分の生活にゆとりが出ることで、気分的にも精神的にもゆとりが出るし、そこが一番良かったことですね。
岸:僕も嬉しかったです!
ご家族の方は、何と言ってますか?
Tさん:うちの母は、「良かったね。頑張れや。」って。でも「どうしても嫌だったら、無理してやらなくていいよ。体が不自由なんだから。」って言ってくれました。
今、あらためてどんな気持ちですか?
Tさん:今、ここで私が仕事をしていられるのは、導いてくれた岸さんのおかげです。
岸さんがいなかったら、仕事なんかしていない。
岸さんがいろんな情報を網羅して、人とのつながりも人脈もあるから、ここ一番という時に、だだだっと物事が動く。
私が「何とかなりませんか?」って言ったら、その選択肢をいっぱい持っているんですよ。経験値と経験則と人脈と、バランスがすごくいいんですよね。それがスーパーケアマネと言われるゆえんなんでしょうね。
だから、ケアマネさんの役目ってすごいな、と思いますね。
特に1年経ったから、みんなも応援してくれている中で、自分にとって一番の御恩返しはちゃんと仕事を続けて、頑張ってここに立ってますっていうことを見せることだと思っています。
岸:今日は、貴重なお話しを聞かせて頂いてありがとうございました。
Tさんの事例は、多くの方の可能性のために勇気づけられる内容です。
これからも、楽しく仕事をしていってください。